第二、他人のことを理解するようになります。
心の癒しを体験した人々に共通的に見られるのは、
以前とは違う側面から人を見るようになることです。
自分を苦しめる人に対して、対人恐怖症を覚えていた人も、
心の癒しを受けてからは、相手の心を理解するようになるのです。
自分を苦しめる人の立場に立ってみて、
その相手の心の底にある傷を見出すことができるからです。
自分のことだけでなく、自分に傷を与えた人も、
他人から受けた傷があるがゆえ、
他人を傷つける人になったことを理解できるようになれば、
その相手に対する怒りは消え去ります。
こういう体験があれば、むしろ、自分を苦しめる人に対する同情心が生じてくるのです。
癒しの経験のない人と、癒しの経験のある人は、
自分を怒らせる人に対して、まったく違う反応を示します。
前者は怒りを抑えることができず、苦しむ半面、
後者は、あのような態度を取るには
、何らかの事情があるだろうと理解しようと努力します。
要するに、相手を理解できた分、心の怒りが少なくなり、怒りが弱くなった分、
いのちのエネルギーが費やされず、満ちてくるからです。
現代医学によっても、怒りによって費やされるいのちのエネルギーのせいで、
人々が病気になって死んでいくことが立証されています。